秀光通信7

『理系人気の記事を読んで、思ったことあれこれ』
お久しぶりの秀光通信です。
2013年1月19日の朝日新聞夕刊の見出しに、「センター試験始まる」と並んで「就職難、理系人気に拍車」というのがありました。記事には、リーマンショック以降の就職難で「理系学部の人気が高まり、『文低理高』にますます拍車がかかっている」とあり、文系クラスの女子生徒が看護学科を目指したり、はじめは法律に興味があったが、結局国立大の医学部を志望することにした生徒の例などが紹介されていました。

さらに河合塾によるとして、同塾の今年度模擬試験の理系の受験者数が08年度比で21%増え、中でも資格取得に結びつく学部が人気で、薬学部は国公立、私立ともに昨年度比で13~15%増、とも述べられています。
なるほど、現状をかんがみると目指すところは誰しも同じだな、と思ってしまいます。しかし、だからといって、誰もが理系にチャレンジして、うまくいくわけではありません。

理系受験にとって最大の関門ともいうべき高校数学がネックになるからです。数学に関しては、すでに平成24年度より新学習指導要領が先行実施されています。新課程では教科書のページ数が27%増加し、実質的に学ぶべき分野が増え、「数学Ⅲ」は複素数平面が復活するなど、理系受験生の入試対策の負担が増大しています。

以前の秀光通信でも述べましたが、現今の中学校のカリキュラムでは将来理系へと思っても、ボリュームアップした高校数学には太刀打ちできません。

中3のお母さんからこんな話を聞きました。都立志望の子どもが内申点が足りなかったが第一志望は下げたくなかったので、同レベルの私立も考えて過去問を見たところ手も足も出なかった、というのです。結局、その子は志望校を下げざるを得なかったそうです。これが今の公立中学の現実です。

将来、国立あるいは理系に進学したいなら、中学卒業時点で中高一貫進学校と同等レベルに、という私たちの考えに納得してもらえるのではないでしょうか。目前の高校入試も大事ですが、その先の大学入試(理系は特に)まで見据えての勉強こそが将来へとつながるのです。
また、先の記事にもあるように、薬学部は今や大変な人気です。しかしこの人気が別の問題をもたらしていることにも気をつけねばなりません。
2006年度の薬学部6年制課程導入以降、特に私立大学薬学部の入試動向は大きく変化しました。要因は28校もの薬学部が新設され、総定員が増加したためです。将来的には薬剤師の余剰人員の問題も出てくるでしょう。その意味では薬学部ならどの大学でも、とは考えないほうがいいでしょう。私自身は、首都圏で進学する価値のある薬学部は10校もないのでは、と思っています。

理系進学の希望者が増えたということ自体は、当然だし、素晴らしいことだと思います。しかし、それは同時にライバルも多くなり、そこを突破するにはそれなりの準備と努力が必要だということでもあります。ただなんとなくで、突破できるほど甘くはありません。健闘(検討?)を祈ります。