はじめに

2018.07.24 お知らせ

【開塾のことば】

秀光セミナーという小さな塾の開塾など一体何なのか・・・?そう思われる方も多いかもしれません。大きな資本があるわけでもなければ、知名度があるわけでもありません。一体何をもって開塾なのか?ズバリ、お答えします。それは、「塾の役割とは何か」に対する明確な信念です。「志望校合格のために何をしてくれるのか」という、生徒や父母の要望にきちんと応える。それこそが塾の役割だと。「楽しい塾」「多数が学ぶ塾」等々、様々な塾が存在しますが、私達秀光セミナーの考える塾とは要するに「合格させるための塾」なのです。

 

【塾長 紹介】

元進学Z会最上位クラス担当(数学)。平成元年に、都立大学に秀光セミナーを開塾。以来、成績上位生はもとより、「中位レベルの生徒をトップ校に合格させる」をモットーに授業に臨む。数学を苦手とする生徒が「阿多方式」と呼ばれる独自の解法を身につけたことで、一気に数学が得意科目になった例は数知れない。中でも「高校数学」の難解さを易しく解きほぐす独自解法は、従来の「数学はセンス」を完全に打破、多くの受験生に支持されている。また、朝日新聞紙上での「ゆとり教育」についての提言をはじめとして、教育問題、塾のあり方等など、常に現場からの視点に立った、歯に衣着せぬ直言でも知られている。

 

「私の視点」(2002年6月7日(金)朝日新聞/朝刊より)

小中学校の新学習指導要領が導入されて2ヵ月が過ぎた。東京都内の進学塾で子供たちを指導しながら、暗澹(あんたん)たる気持ちになっている。新指導要領は、それが標榜(ひょうぼう)する「考える力の育成」には、むしろマイナスだ、と思うからだ。私の専門である算数・数学に即して理由を示したい。
私は約20年、塾教師として子供たちを教えてきた。この10年ほどの間、小学生の計算力は明らかに低下している。例えば、「375÷18」という問題。我々の世代なら瞬間的に十の位に「2」が立ったものだ。しかし、「3」を立てて計算を始めようとする子供もいる。「50の半分は?」と聞いても即答はまれだ。数字に対する感覚が身についていないのだ。
全員、中学受験を目指し、地元の小学校での成績は上位を占める。もちろん、九九も言える。それでも瞬間的に見当をつける力が弱い。九九を自在に使いこなすための反復、計算問題を多くこなす経験が足りないからだ。
新指導要領は、この悪しき傾向をさらに強めるだろう。3けた以上同士の掛け算・割り算や小数点2位以下の掛け算・割り算がない。数字に対する感覚を養う土壌はますます枯れてしまう。
図形の扱いも問題だ。台形の面積を求める公式【(上底の長さ+下底の長さ)×高さ÷2】
の削除がしばしば話題になるが、単に公式を教える、教えないの話ではない。
台形の対角線に一本、線を引いて、三角形の面積から台形の面積を導き出したり、上底のない台形が三角形という発想もある。平行四辺形、長方形、正方形が実は上底と下底の長さが等しい台形だ、とも説明できる。私の教室で、子供たちは、こういう話に目を輝かせる。台形の公式一つで子供たちの図形に対するイメージが膨らむのが分かる。
異なる種類の図形の関係を示すことは、一見、無関係な事象を、新たな視点の導入で関連付ける作業でもある。文部科学省の目指す「考える力」を養う格好の素材だろう。
「考える」ためには、知識が豊かでなければならない。台形の面積ばかりか、線対称・点対称、円柱、角柱の体積、表面積も小学校から削られている。
中学数学では、カリキュラムの流れに論理性がない点も気になる。
中3で教えていた「円の性質」が中1、中2に分割され、一部は高校数学に移される。三角形の相似(新指導要領では中3)や三平方の定理(同)を十分、学習した上で円の性質を一括して学べば、子供たちの理解は早い。現に、某国立大付属中学では、この手順で教えている、と聞く。
また高校に、一次不等式や三角形の重心、相似形の面積比・体積比などが移る。これらも中学数学の一次方程式や図形の流れの中で教えれば、さほど負担にはならない。
中学数学の学習内容が軽減される一方で、高校の学習内容は増加する。現在でも中学数学から高校数学への飛躍のために成績不振に陥る生徒が多い。これでは理科系離れをますます加速するだけではないのか。
大学受験を考えると、私立校なら指導要領を無視して生徒のニーズに応えることもできようが、公立校の先生方は大変なご苦労をされるのではなかろうか。
生徒の視点に立てば、私立校や塾・予備校に通わないと受験に対応できない傾向が強まることになるだろう。塾を経営する身ながら、果たしてこれが健全な教育なのか、疑問がぬぐえないのだ。

著・秀光セミナー塾長 阿多 光一郎
2002年6月7日(金)朝日新聞/朝刊より
秀光セミナー

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